娘を寝かしつけた後、ムクリと起き上がり、残った仕事のためにパソコンの前に向かう。今日一日頑張ったので、この時間は体力も気力もほとんどない。本当はこのまま娘と一緒に朝まで眠ってしまいたい。そんな夜のお仕事タイムには、その時の気分にあった心地のよいBGMを流すと、なんとも素敵な時間となる。たとえば今日はこんな曲。耳障りでないきれいで静かなメロディーと、籠もったピアノの音と、和音と、打鍵音。
ちなみに、たまたま今日はこの音だったけど、きのうは違ったし、明日もおそらく違う。この曲を流せば絶対に調子良くなるという、薬的なものでもない。90年代のヒットソングメドレーが気分の日もあるし、焚き火や雨の音が心地よい良い日もある。その時の自分の感覚にフィットしていることが素敵な時間となるポイント。スピーカーから流れてくる音と、自分の感覚を、すり合わせるのが好きだ。もちろん、感覚にフィットする音が感じられない日もある。そういう時は、そういう日なのだと思う。
「本日最後のひと仕事」と、本当は眠りたい気持ちに抗って、残っていたほんの少しの責任感でベッドから起き上がった自分への、小さなご褒美。1日雨だった今日の夜は、6月にしては少し肌寒い。お気に入りの羽織物を肩にかけて、温かい飲み物を飲みながら、ぼやっとした頭で仕事に向かうこの時間が、実は、嫌いじゃない。私の仕事スペースは娘が寝ているベッドの横にあるので、お部屋の明かりは暗いまま。その中でデスクライトとPCのディスプレイがぼわぁっと光っている。そこに照らされるわたし、壁のグラデーション。影。すっきりした朝とはまた違った、一人の静かな時間。